病気について
Disease
循環器専門診療について
私が勤務医として働いてきた数年間、また、2014年11月より横浜市港南区上永谷にニュートン動物病院を開業してからも獣医として様々な患者様と接してきましたが、心臓病や癌などの高齢期の病気に悩まれている患者様が年々増えていっているという事を強く感じております。
その中でも心臓は体のエンジンであり、非常に重要な場所。
心臓のケアをしっかりしていくことで、元気に、そしてより長くご家族と一緒に暮らすことができます。
当院ではそのようなペット高齢化の対応として、循環器認定医による心臓専門医療を取り入れ、心臓病の早期発見、正確な治療、また心臓病に悩まれている方へのセカンドオピニオンも受け付けております。
循環器について
5kgの動物では270ml(猫)から450ml(犬)の血液がからだを循環しています。その血液は、全身に酸素と栄養分、ホルモン、老廃物などを運ぶ重要な役割を担っています。その血液を全身に送り出すのが心臓、その血液に混じった老廃物を濾過するのが腎臓です。
年齢を重ねると心臓と腎臓は衰えてきます。その衰えをカバーするために、心臓と腎臓にはそのバックアップシステムが多く備わっています。しかし、そのバックアップシステムでもカバーできなくなってくると途端に体調悪化の徴候が見られるようになります。つまり、心臓と腎臓の病気はかなり進行しないと「具合が悪い」が現れません。そのためには、健康診断が重要になってくるわけです。
心臓病になりやすい種類の動物と症状
心臓病については特にかかりやすい品種があります。犬ではキャバリアで弁膜症、超大型犬種では心筋症、猫では大型長毛種で心筋症が遺伝子レベルで心臓病にかかりやすいことが明らかになっています。飼育頭数が多いため、小型犬種でも心臓病は多いと認識しています(有病率では他犬種と差はありません)。老齢の動物だけではなく、子犬でも心雑音が聴こえることがあります。子犬の心雑音は早期に対応すれば完治することができるものも多いので、心雑音が聞こえたら、できるだけ早く対応することが重要です。対応が遅れると、死亡することもあります。
軽微な動物の変化を見過ごさないことも重要です。子犬、子猫にしてはおっとりしているというのは一つのヒントではあります。疲れやすくなった、歳をとったからでしょうか。最近咳が多い、感染症でしょうか。呼吸が早い、舌が青い、倒れた、などは心臓病のかなり進行した症状として特徴付けられます。薄い尿がたくさん出たり、水をたくさん飲むのは、内分泌疾患や腎臓の濾過機能がおちたというシグナルです。なんだかだるそう、食欲がなくなる場合も、心臓や腎臓の悪化のシグナルの場合があります。猫では特に、心臓病のごく初期の徴候は、嘔吐、食欲不振などの消化器症状から見られることが多いのです。
心雑音が聞こえたら、検査と診断について
心雑音が聞こえたら、まず心臓のどこからその雑音が聞こえているか、慎重に聞き分けます。聴診は心疾患の非常に大切な最初のステップです。そして雑音の発生源から、必要な検査を割り出して、血液検査(全身に血液を送る心臓が悪くなると様々な血液性状の異常が出てきます)、心臓バイオマーカー、心電図、血圧、レントゲン、超音波検査を実施して心臓のどこが悪いかの診断と、重症度の判断をし、適切な処方(内科療法や外科療法)を行います。
心検査のご案内
下記の検査が基本セットとなります ※要予約
料金:16,500円~(税別)
-
身体検査
まずは心臓の音を聞かせてください。
心音に雑音が混ざっている子は心臓に異常を抱えている可能性が高いです。 -
心電図検査
主に不整脈の有無を調べます。
-
血圧測定検査
血圧を調べる検査です。
高血圧は心臓の負担につながります。 -
胸部レントゲン検査
心臓の大きさや形、気管や肺の状態を調べます。
-
エコー検査
心検査の中心となる検査です。
心臓の内部の構造や血液の流れを調べます。 -
血液検査(別料金)
心臓のお薬が必要な子に行う追加検査です。
数値によって使用するお薬を選んでいきます。